愛着障害

愛着障害とは?愛着と愛着障害の特徴

こんにちは。
心理セラピストのりお(@rio10Xu)です。

今回の記事では、心理学を学ぶ上では欠かせないと言っても過言ではない、”愛着障害”について解説していきたいと思います。

愛着障害はここ数年で新たに解明された話ではないのですが、注目や関心が高まっている傾向にあるので、是非この機会に知って頂きたい内容です。

愛着障害と言えば、岡田尊司先生が著名でありますので、岡田先生の『愛着障害』や『死に至る病』等の出版物、また、アメリカの精神医学会DSM-5の診断・統計マニュアルからも参考にしつつ解説していきたいと思います。

愛着とは?

愛着障害を解説する前に、先ずは愛着とは何かを知っておく必要があります。

愛着とは、特定の人に対する特別な情緒的な結びつきと言われており、その愛着対象は、特別な存在であり、余人には代えがたいという性質がある。
『愛着障害』著者:岡田尊司

わかりやすいイメージで言うと、自分が相手を大切に思う気持ち、相手が自分を大切に思ってくれている気持ちの絆というような形で、温かい家族の関係性が愛着という言葉に相応しいかと考えています。

そこに上下的な関係性はなく、支配的な関係性もなく、個々が対等であり、尊重し合い、助け合い、価値観の違いを認め合い、その自然的で確固たる繫がりが愛着と言えるでしょう。

“愛情”とはまた違った形が愛着であり、それは情動的(一時的で急激な感情の動き)なものではなく、目に見えない強固な絆です。

また、愛着は、安心感でもあり、自己肯定感や自己重要感、自己信頼感等の概念に強い結びつきのある内側に起こる感覚でもあります。

「自分は愛されている存在である」
「自分は何ができるできないに起因せず存在するだけで価値がある」
「自分は守られている存在である」
「物事に好奇心を持ちチャレンジ精神を持ち失敗しても大丈夫」

感覚的に根底にあるこういった前提が、愛着の安心感です。
それは強がりやプライドで成り立たせた感覚ではなく、根底にある自然な感覚なのです。真の心の強さと言っても良いでしょう。

愛着障害とは?

愛着を理解したところで、愛着障害を学んでいきましょう。

愛着障害とは、母親を始めとする養育者との愛着が、幼少期に抱っこされなかったり、虐待やネグレクトを受けたり、養育者が代わってしまったりと、何らかの理由で形成されず、情緒や対人面において問題が起こる状態の事。
『愛着障害』著者:岡田尊司

情緒や対人面において問題が起こるというのは、例えば以下のような感情感覚、振る舞いを起こしがちです。

・常に心の中に不安を抱え精神が不安定
・自分の存在や状態を認められずに自己否定感による心の支配
・極度に人付き合いに抵抗があり人と親密になることができない
・極度に人を求める欲求があり渇望感や欠乏感を持つ
・人を回避する傾向も強く人を求めなければならない不安感を併せ持つ
・人の支配下に潜り込み自分を無下に扱い苦しみを抱える
・人を支配し自分の欲求を満たす為の関係性でしか人をみることができない

そして愛着障害をDSM-5では、特定の人への愛着を損なわれた状態を、”反応性愛着障害”と定義しています。

反応性愛着障害は2分類に定義されており、以下の通りです。

反応性愛着障害
1 抑制型愛着障害
2 脱抑制型愛着障害

わかりやすく一言で言えば、
抑制型愛着障害は、「誰にも愛着しない警戒心の強いタイプ」であり、

脱抑制型愛着障害は、「誰に対しても見境なく愛着行動がみられるタイプ」です。

愛着が形成されていないが故に、人に対して愛着しない傾向を持つタイプもあれば、誰に対しても愛着するタイプあるということですね。

愛着の絆を感覚的にわからないと、そもそも愛着できないという話でして、抑制型の方はわかりやすいかもしれませんが、脱抑制型については一見どういうことなのか理解しにくいかもしれません。

誰に対しても愛着行動が見られるということは、先ず一つ、”特定の人”という範囲から外れており、それは愛着ではないと考えます。

また、愛着という感覚がわからないという点で、自分の中に上述したような安心感はなく、心の不安を解消する為に人を求める行動に走り安心感を得ようとするが故の愛着行動と言えるでしょう。

つまり、愛着がないからこそ愛着を求めると解釈すると理解しやすいかと思います。
愛着行動というよりかは、愛着のような行動と表現した方が正しいかもしれませんね。

そして、岡田先生の愛着障害におけるタイプ分類もあり、それは”愛着パターン””愛着スタイル”と呼ばれるものです。

愛着パターンとは、成人手前までに示す子供の愛着のタイプのことであり、スタイルとして確立する以前の愛着タイプのことで、それは相手によって愛着パターンが異なることも多く、愛着対象が代わり、同じ愛着対象でも子供への接し方が変わることなどに起因して愛着パターンが変化します。

愛着スタイルとは、成人する頃にその愛着パターンが固定化され、その子供の愛着タイプが確立する為、愛着パターンから愛着スタイルと呼称が変わっています。

愛着障害を学ぶ上において、愛着パターンと愛着スタイルの分類を知ることは非常に重要で、先ずはあなた自身が、あなたのお子様が、どの分類に該当するのか先ずは気付くことで、その後の対症方法が見えてきます。

【愛着パターンの分類】
1 安定型
=>母親から離されると不安感を感じたり泣いたりする一方で、その感覚は過剰ではなく、母親が現れると素直に再会を喜び、甘えたり抱かれたりしようとする。

2 回避型
=>母親から引き離されてもほぼ無反応。再開したところで目を合わせずに自分からも抱かれようとはしない。ストレスを感じても愛着行動を起こさない特徴を持つ。

3 抵抗/両価型
=>母親から離されると強い不安を示し、激しく泣く傾向が強いが、再会しても母親のアプローチを拒絶したり嫌がったりする。しかし一度くっつくと離れようとはせずに愛着行動が過剰に機能する特徴を持つ。

4 混乱型
=>回避型と抵抗型が入り混じった無秩序な行動パターンを示す。無反応な時もあれば、激しく泣いたり怒りを示す時もある。親に怯える様子もあると思えば、親に攻撃的になったりする面も持つ。

【愛着スタイルの分類】
1 安定型(自立型)
=>対人関係における絆の安定性があり、素直さと前向きな姿勢を持つ。自分が愛着する人に愛されているという感覚を当然のように確信し、相手に嫌われるとか失ってしまうなどの懸念を持たない。相手を信頼し尊重しているからこそ、自分の本音で話すことに重点を置き、本音を話すことが相手の存在を否定するというところに結びつかないという感覚を持つ。

2 不安型(とらわれ型)
=>人の目や評価に過剰に敏感であり、人からの承認が第一優先となりやすい。人に嫌われることや拒絶を極度に怖がり、人に良く思われようと取り組む傾向がある。激しい不安に捉われて過剰反応を起こし、人を過剰に求める傾向がある。相手がそれに応じてくれるうちは問題ないが、そうでなくなった時に不安や怒りを感じやすい特徴を持つ。

3 回避型(愛着軽視型)
=>距離を置いた対人関係を好み、親しい関係や情緒的な共有を重荷に感じやすい。基本的に何に対しても醒めていて、物事や人への興味が色濃いものにもなりにくく、本気にもなりにくい。対人関係などの面倒事を避け、自分を守る傾向が強い。表情も固く、自己表現が苦手である。

4 恐れ・回避型
=>不安型と回避型が混ざり合い、いずれも強いスタイル。対人関係を避けて一人を好む傾向が強い反面、人の反応に敏感で、見捨てられ不安が強い特徴がある。人と仲良くしたいという気持ちを持ちながら、親密になると強いストレスを感じたり傷ついたりするジレンマを抱える。疑り深く被害的認知に陥りやすく、自己開示が苦手である。本当は人に甘えたり頼ったりしたい気持ちを持ちながらそれが器用にできない。人を求める気持ちが強くなるほど空回りしうまくいかなくなることが多い。

※それぞれの詳しい特徴については、随時別記事にて更新していきたいと思います。

愛着障害の特徴とは

最後に、愛着障害の特徴の一部を紹介していきたいと思います。

※注意※
遺伝や発達の側面も無視できず、情緒の不安定さや対人関係における問題全てを、愛着障害で一括りに語り、完結させ、結論づけるのは当然ながらできませんので、項目に該当する=愛着障害であると断定することは難しいですが、あくまで参考までに留めておいて頂ければと思います。

・親に対して恨みや敵意を持っている
・親の注目や承認を得ようと(本人無自覚の場合有り)問題行動を起こす
・親を過度に喜ばせようとする
・親の為に自分を犠牲にして奉仕する強い感覚がある
・親の期待に応えようと常に従順(良い子)でいようとする
・親の期待に応えられない自分を強く否定する

※親への憎悪や拒絶、攻撃感情を持ちながら
親を失った時に理想化と罪悪感が心を蝕む。

・誰に対しても愛着感情が湧かない
・誰に対しても愛着感情が湧く(特定の愛着対象を持てない)
・親密になっても信頼関係や愛着感情が長続きしない
・人との適切な距離感が取れない
・傷つきやすくストレスに脆い
・怒りの矛先が問題自体ではなく対個人や対社会になりがち(非機能的怒り)

・思い込みが激しく過剰に過去に捉われる
・他人の言動に過剰に反応し思い込みが膨らみがち
・白か黒かの二分法的に物事を捉えがち
・物事を俯瞰的ではなく限定的部分的に捉えがち
・相手の立場に立ち共感する力が乏しい(表面的にはできる場合有り)

・自分のこだわりを曲げずそれが不利益だろうが意地を張り抵抗する
・先入観に縛られ感情的な反応を起こしやすい(柔軟性の欠如)
・困難や問題と対峙した時に人に助けを求められずに一人で対処しようとして結果的に一人潰れて悲観する傾向がある。
・向上心や自己肯定感が乏しく目標に向かって努力する感情が湧きにくい。

・最初から諦め思考で自分の可能性を信じることができない
・自分のキャリア選択が場当たり的で自分の特性や興味がわからない
・キャリア選択がなかなか出来ずに且つ十分な模索をすることもない
・人や物への依存傾向が強く愛情飢餓を誤魔化す
・アイデンティティを確立する青年期に大きな試練となりうる

総括

【愛着】
愛着とは、特定の人に対する特別な情緒的な結びつきと言われており、その愛着対象は、特別な存在であり、余人には代えがたいという性質がある。

【愛着障害】
愛着障害とは、母親を始めとする養育者との愛着が、幼少期に抱っこされなかったり、虐待やネグレクトを受けたり、養育者が代わってしまったりと、何らかの理由で形成されず、情緒や対人面において問題が起こる状態の事。

▼反応性愛着障害
1 抑制型愛着障害(誰にも愛着しない警戒心の強いタイプ)
2 脱抑制型愛着障害(誰に対しても見境なく愛着行動がみられるタイプ)

▼愛着パターンの分類
1 安定型
2 回避型
3 抵抗/両価型
4 混乱型

▼愛着スタイルの分類
1 安定型(自立型)
2 不安型(とらわれ型)
3 回避型(愛着軽視型)
4 恐れ・回避型

今回は、愛着・愛着障害の概要について解説致しました。随時、細分化した項目を詳しく解説していきますので、愛着障害を引き続き学んでいければ幸いです。

ではでは!